《茗圃》の火鍋
2022/09/27
「香港」と聞くと亜熱帯性気候の蒸し暑いところというイメージが湧きますが、冬は最高気温が10度台の前半のこともあり、雨が降ると寒いくらいです。夏は夏で強烈な冷房がかかっていて室内の気温は低く、上着がないと肌寒いくらいで、うっかりすると夏風邪を引いてしまうことも・・・。というわけで「香港」には「火鍋料理」専門店が数多くあり、人気店は開店と同時に満席になるくらい繁盛しています。
「香港火鍋」といえば、いくつものスープの中から好みのものを選び、具材も海鮮あり、肉あり、野菜ありというように、豊富なバラエティが特徴です。日本では「鶏鍋」とか、「ふぐちり」とか、「すき焼き」に「しゃぶしゃぶ」といったように、決まった素材を中心に提供されるものがほとんどで、例外といえば「ちゃんこ鍋」くらいですかね。それでも、お相撲さんは毎日「ちゃんこ鍋」を食べるわけで、飽きがこないように、今日は「アラ」にしようとか、今日は「牡蠣」にしようとか、台所を預かる板前さんは工夫を凝らしますよね。ところが「香港火鍋」は何でもありのごった煮で、スープも2種類を同時に楽しみたいので「鴛鴦鍋」や4つも5つもの仕切りのある特製の鍋が登場することになります。異文化の入り混じる「香港」ならではの多国籍鍋ということなんでしょうか。
中国の火鍋は、広東式、北京式、四川式、台湾式と種類は様々ですが、北京式は、スープは雪菜と干し海老で軽く出汁を採った味の薄いもので、昆布で出汁を採った日本の水炊きと同様に、食材とタレの味で楽しむもの。真ん中に長い煙突のようなものが付いた、中国北部独特の鍋を使います。四川式は、「麻(痺れ)」と「辣(辛味)」の強いお馴染みの鍋(名古屋の火鍋のほとんどは四川式)。とにかく辛味の際立つ重慶鍋と山椒の痺れと唐辛子の辛みの絶妙なバランスを重視した成都鍋の二種類があります。それに対して、広東式は、スープ好きの広東人の嗜好を反映して、いろいろなスープの中から好みのものを選択するところに特徴があります。したがって、スープが美味しくないと、香港鍋の魅力は半減してしまう。
「香港火鍋」の決め手になるのは、まずはスープ。そして次に具材。それに店独自の薬味やタレを加えて食すのですが、シンプルなだけに「ごまかし」がききません。広東料理レストランである《茗圃》の火鍋は、所謂「香港火鍋」専門店のものと違い、8時間かけてとった「上湯」をベースとした2種類のスープと、鮮度のいい素材を取り揃えた上質なコースで、ご要望があれば、フカヒレや燕の巣も加えることができます。名古屋の中心、栄~錦~丸の内界隈には、「鳥邉」や「ふぐちり」、「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」の老舗が点在しますが、美味しい「香港火鍋」にはありつけません。寒さの厳しい冬を乗り切るには、体の芯から温まる「鍋料理」が欠かせませんが、《茗圃》の鍋料理も、是非一度お試しください。新鮮な素材を仕入れるので、ご来店の三日前までにご予約をお願いいたします。
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茗圃
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄2丁目12-22
電話番号 : 052-253-7418
栄のランチは本格的な飲茶
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