《茗圃》の名物料理　「中国野菜の腐乳炒め」

　「腐乳」と聞くと、台湾の屋台から３０ｍ先までただよってくる、あの強烈な匂いを想像して敬遠する方も多いと思いますが、「腐乳」には大きく分けて「青方」「紅方」「白方」の３種類があり、台湾の屋台で使用している臭豆腐は「青方」に属し、腐敗臭にも似た強烈な刺激臭があって、広東料理には向きません。広東料理で用いる「腐乳」は、チーズのようなまろやかで上品な香りが特徴で、中国野菜の炒めや各種煮込み料理によく使います。

　中国野菜には「芥蘭」「菜心」「空芯菜」「広東白菜」「油麦菜（台湾A菜）」がありますが、「芥蘭」や「菜心」にはオイスターソースが、「空芯菜」や「油麦菜」には「腐乳」がよくあいます。《茗圃》では、どの中国野菜にしても塩味の「あっさり炒め」を注文されることが多いですが、私のお勧めは、「油麦菜の腐乳炒め」。ワインにも合う野菜料理なんてあまり思いつきませんが、これが実に絶妙な相性の良さ。是非一度お試しください。