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《茗圃》の名物料理 「咸魚炒飯」

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《茗圃》の名物料理 「咸魚炒飯」

《茗圃》の名物料理 「咸魚炒飯」

2022/10/04

 「香港」へ行ったら最初に何を食べようか迷うところですが、私なら、まずは「咸魚炒飯」でしょうか。それから、翌日の朝には「皮旦粥」、お昼には、「牛筋そば」・・・。「香港に来たー!」と実感できる料理は、ほかにもいくつもありますが、いきなり高級レストランのグラン・メニューとか、定番の「飲茶」というよりも、まずは慣らし運転じゃないですが、長旅の疲れをとって、コンディションを整えて、クライマックスに向かって盛り上げていこう、というプランを立てます。

 

 「威魚」は、イシモチを塩漬けにして半発酵させてから天日干しにしたもので、加熱することによって独特の香りが際立つ、きわめてユニークな食材で、東南アジア諸国の料理に欠かせないナンプラーという魚醤がありますが、それと似た系統の風味が特徴です。日本では、広東料理専門店でも本物の「咸魚」を常備している店は多くはなく、テレビや雑誌で有名なシェフが料理長を務めていた東京のレストランでも、「塩鮭」を代用していたほどです。「咸魚」がないなら別の炒飯をメニューに加えればいいのに、およそ別物といっていい「塩鮭」の炒飯を「咸魚炒飯」とうたうのは、ちょっと問題だなと感じました。「咸魚」のことを知らないお客様には癖のない「塩鮭」の方が馴染みやすいということはあるかもしれませんが、それなら「鮭の炒飯」とすればいいのではないかな、と。香港通のグルマンには、絶対に通用しないやり方だと思います。

 

 栄には、グランコート名古屋の「花梨」の総料理長だった服部さんの「翠宮」や三越のはす向かいの一等地に昨年出店した「新香港」といった広東料理専門のレストランがあって、通常のメニューにはないかも知れませんが、ここなら、事前に注文しておけば、「咸魚」の特徴を引き出した料理を出してくれるのではないかと思います。

 

 《茗圃》では、香港通のグルマンの方からのリクエストで「咸魚」の特徴を活かした「咸魚蒸肉餅」をお出ししたことがありますが、これは豚肉を深皿に敷き、そのなかに「咸魚」を埋め込んで蒸し上げた「中華風ハンバーグ」のような料理で、香港の茶餐廳や大衆的な食堂でよく見かけるメニューです。《茗圃》の賄いとして、ときどき「咸魚肉餅』が出てくることがありますが、これを《茗圃》の表のメニューに載せるのは、少々抵抗がありますので、「咸魚鶏粒豆腐」という煮込み料理をご用意しています。これを「タイ米」の上に載せて食べたら、病みつきになっちゃうかも・・・。「咸魚」好きには堪らない料理。中華料理の奥深さを垣間見れるような珍味と云えるのではないかな、と思います。

 

 

 

 

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茗圃
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄2丁目12-22
電話番号 : 052-253-7418


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