《茗圃》の名物料理 「ボウチャイファン」
2022/09/26
「ボウチャイファン」という料理をご存じだろうか? 「パエリヤ」(スペイン)「ビリヤ二」(インド)と並んで、世界の三大炊き込みご飯に数えられる香港の冬の風物詩ともいえる「ボウチャイファン」を求めて、わざわざ香港へ旅する愛好家もいるという(実は、私もそのひとり)。20年くらい前に、六本木ヒルズに「ボウチャイファン」の専門店が出来たと聞いて勇んで出かけたが、インディカ米ではなくジャポニカ米で、しかも既に炊き上がった御飯の上に好みの鍵掛を載せて火にかけて出来上がりという、まったく似ても似つかぬ紛いもので、がっかりしたことを思い出す。この料理のポイントはインディカ米を炊き込むところにあって、ピラフを鍋に敷いて焦がしただけの「パエリヤ」や「ビリヤ二」と同じで、炊き込みご飯じゃなくて鍋焼き御飯になっちゃう。これらの料理は、必ず生の米から焚き揚げることが肝要。ここを外したら絶対にダメです!
「ボウチャイファン」は、もともと「油麻地廊街」や「西環德舗道」といった①裏通りの路面店で、②冬の時期に、③夕方になると店先に七輪を置いてその上で土鍋に入った炊き込みご飯を売ったのが始まり(①~③の三要素が前提のメニューでした)ですが、それが評判を呼ぶに従って繁華街の中華料理店や高級レストランでもメニューに載せるようになり、冬でなくても、ランチでも食べられるようになりました。今では、七輪ではとても間に合わないので、いくつも鍋が並べられる大型のガスコンロが使用されるようになり、数種類しかなかったメニューも、多いところでは60種類ものメニューを取り揃えるほどになりました。豊富な食材を積極的に採り上げる「広東料理」ならではの現象ですね。「ボウチャイファン」の「ボウ」の字は「土鍋」を表し、「仔(チャイ)」は小さいという意味で、基本的に一人分ずつを作ります。しかしながら、裏通りの「ボウチャイファン」専門店ならいざ知らず、高級レストランでは「ボウチャイファン」以外の料理もいろいろ食べたいので、土鍋ひとつを一人でたいらげるのはちょっとシンドイ、ということで、2~3名でシェアする方が多いです。
《茗圃》の「ボウチャイファン」は代表的な具材である腸詰と豚肉を載せたものをお出ししますが、事前にオーダーを頂ければ、お好みに応じて、鶏肉とキノコとか、海鮮もの、或いは、贅沢に高級乾燥食材(干し鮑や干しナマコなど)を使ったものもお作りできます。タイ米を生の状態から炊き込みますので、20分くらいお時間がかかります。冬のコース・メニューに「ボウチャイファン」を組み込むこともできます。お試しになりたい方は是非スタッフまでお申し付けください。
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茗圃
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄2丁目12-22
電話番号 : 052-253-7418
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